まず鎮静、除痛→アンペックの静注、厳重な降圧療法:SBPを90未満に(ペルジピン原液2mlをワンショット、5ml/Hrで持続開始し漸増、10ml/HrまでUPしていく)、酸素投与
下行の場合は循環器科管理が望ましいとされているがそれは「血管外科があり、緊急手術ができる施設での循環器科・CCU管理」という前提条件がある。
解離の進行でおきる恐いこと
1:心タンポナーデ 2:脳梗塞(上行分枝への解離進行、圧迫による) 3:重要臓器虚血(腹部内臓臓器、腎臓、腸間膜動脈) 4:下肢虚血 いずれも緊急血管外科手術あるいはIVR(外科医スタンバイのもと)が必要となる。
大動脈解離のCTのみかた
1:上行大動脈に解離があるかどうか
→上行大動脈に解離があれば緊急手術(上行置換または全弓部置換)
(このケースでは上行に解離はありません)
2:上行3分枝(右無名動脈、左総頚動脈、左腕頭動脈)は無事か。
(このケースでは上行3分枝は無事です)
3:心臓周囲に血液(造影剤)が溜まっていないか、大動脈弁輪の拡張がないか
→心タンポナーデ、弁輪拡張から大動脈弁の逆流がある場合は緊急手術(上行血管置換または弁輪縫縮術またはベンタール手術)
これらの場合は迷わず、
一分でも早く鎮痛・降圧を厳格に行ない、県立中央病院・心臓血管外科に搬送して下さい。
:089-947-1111
万が一受入れ不能の場合は、松山「赤十字病院」、「松山市民病院」今治「済生会今治病院」、「第一病院」倉敷「倉敷中央病院」(ヘリ搬送)の順に探して下さい。これらは絶対心臓血管外科適用です。
必要項目はこれだけです
1:患者プロフィール(年齢・性別) 背景:高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴の有無
2:バイタル:意識、血圧(左右上肢)、鼠径部、膝窩部動脈の触知、下肢冷感の有無
3:発症時間帯
4:もしわかれば血液型
下行大動脈解離と確定した場合
(こちらは県立中央病院 循環器科となります。当番のDrにお願いして下さい)
1:解離のはじまりはどこか?
このケースでは遠位弓部です。(下側が解離腔)
2:重要臓器血流はたもたれているか
上から順に(腹腔動脈、SMA、右腎動脈 左腎動脈 (通常は左→右だがこの方は逆になっている)、IMA、左右腸骨動脈分岐
腹腔動脈は真腔からでている
さらにわかりやすくしてみた
右腎動脈も真腔から出ている